ネパールに行ってきました!
2022/11/14〜26、ネパールに行ってきました!
修士1年の高村、中村、吉澤が、ネパール・ルンビニでのプロジェクトに参加しました。黒瀬研究室が海外を訪れるのはコロナの感染拡大が始まって以来のことでもあり、初めて海外に行くメンバーもいる中、環境も文化も全く異なる地で2週間過ごすことに、それぞれ不安や楽しみを抱きながら現地へ向かいました。
(現地に向かう飛行機からはヒマラヤ山脈が一望できました)
今回訪れたネパールのルンビニ地区は仏教を開いた釈迦の生誕地を示す遺跡が発掘され、1997年には聖地を含むエリア一体が世界遺産に登録されました。歴史的価値のある仏教の聖地は、発掘当時は未開の地であり荒廃の危機にありましたが、1978年に聖地周辺を永久に残すために、建築家丹下健三によるマスタープランが作成されました。その後、遺跡を含む広大な敷地が整備され、現在も丹下プランを通して遺跡周辺の開発・保全が行われています。
今回は遺跡周辺で起きている課題解決に向けたプラン・デザイン指針を作成し、11/22〜24日にルンビニで開かれる国際会議(Interdisciplinary Technical Meeting)でプレゼンを行うことが主な目的です。
現地では國學院大学の黒本先生、東京大学の永野先生、修士1年の森屋くんと合流し、2つのエリア(ルンビニ・ティラウラコット)に分かれて調査を行いました。
ルンビニ地区では、歩行者通行量調査や追跡調査を実施しました。人々の行動を把握することで、世界遺産における様々な課題が発見されました。また実測も行い、景観や周辺環境を考慮しながら、セキュリティゲートや靴脱ぎスペース、フェンスなどの位置やデザインを検討しました。早急に整備が必要な短期的なものから長期ビジョンまで段階的な計画プランを作成しました。
(セキュリティゲートとシューズラック。ゲート内は聖園と呼ばれ、靴を脱ぎます。)
(マヤデヴィ寺院とアショーカ柱(聖園内))
(実測調査の様子)
(現地で人気者になる吉澤くん)
朝から日没まで調査を行い、夜はホテルで話し合いや資料作成に取り組みました。他大学の先生方と一緒に今後のルンビニについて話をする時間はとても貴重な経験となりました。
(プラン検討の様子)
(東大チームが担当したティラウラコットにも視察で訪れました。⇧現地のカフェ)
現地では途中で体調を崩したり、スマホの盗難にあったりと、色々なトラブルに見舞われました。毎朝、部屋の前にフルーツを届けてくださった先生に助けられ、また学生同士で支え合いながら、最後まで取り組むことができました。
ルンビニ国際会議ではユネスコ、考古学や都市計画に携わる専門家をはじめ、ルンビニ開発トラスト、ネパール政府などが出席し今後のビジョンに向けた会議が行われました。日本チームは現地で行った調査の報告やプランの提案を行いました。
(ルンビニ国際会議でのプレゼンの様子)
ルンビニを訪れる前後にはバンコクやパタン、カトマンズに滞在しまちあるきをしました。カトマンズに住み込みで研究を行っている日本の学生やパタンミュージアムの方と出会い、現地を案内していただきました。住宅街のコモンスペースや、曼荼羅のアトリエなど観光では見ることのできないローカルな場所まで訪問させていただき、充実した時間を過ごすことができました。
(パタン:住宅や市街地エリアの街並み)
(パタン:ダルバール広場 カトマンズ:市街地のファサード)
日本では経験することのできない大規模なプランニングに携わり、提案に挑戦した2週間は私たちにとってかけがえのない時間となりました。今後、開発や改修によってルンビニがどのように変化していくのか、いつかまた現地に訪れて確かめてみたいです。
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