夏季セミナー in 嬉野
9月6日・7日に嬉野市にて開催された、日本建築学会九州支部都市計画委員会主催の夏季セミナーに当研究室から学生9名が参加しました。
セミナー内容は、1泊2日のごく短期間でワークショップを行い、実践的な計画・デザインを提案するというもので、5人前後で班を作り課題に取り組みました。発表時には市役所の方々にも来ていただき、我々学生の提案を聞いていただくことができました。行政の方に対してプレゼンするというのは学生にとって非常に貴重な機会で、私自身初めての体験でした。
今年度のテーマは「嬉野温泉のエリアリノベーション」。
開催地の嬉野市にある温泉街を対象に、特定の建築物のリノベーション案を通してエリアの活性化を図ることが課題として求められました。
また、このセミナーに特別講師としてOpen Aの馬場正尊氏が招かれ、リノベーションの方法論や事例に関するレクチャーと、私たちの提案に対する講評をしていただきました。
馬場さんが総評でおっしゃった、「プレゼンテーションは共感を求めるものであって、聞き手は説得も説明も求めていない。」という言葉が特に印象深く心に残っています。
以下、当研究室の学生による提案概要とスライドです。
黒瀬研A「まちじゅうホテル」
既存の温泉街のアップデートをエリアの課題とし、住民のコミュニティを活かした宿泊形態を提案。
既存旅館のようなパッケージ型の宿泊ではなく、機能一つ一つをまちの中に分散して配置することで、観光客にまち歩きを誘導する。 また、嬉野ならではの資源のブランディングを活かし、お茶淹れや陶芸などの体験施設を導入することで、店舗どうしに連携を促し、観光客には嬉野の生活や生業に触れる場を提供する。 各施設において、観光客は住民との交流の場をもち、観光を通して地元の生活や生業に触れる。そうすることで単にサービスを与える/受け取るという観光地から、インタラクティブな観光地に移行できると考えた。
黒瀬研B「うらみち散歩」
温泉街の表側と裏側にある魅力と、まちに1つしかない駐車場の問題に注目し、既存の交通ネットワークを活かしつつ、表と裏の両方を楽しめる観光地を提案。
表通りに面した観光スポット「シーボルトの湯」と裏の駐車場とを接続する動線として既存の町家を改修し、駐車場から表通りへ向かうまでの裏側の魅力的な街並みを観光客に体験させる。